CPV地球価値創造フォーラムCreating Planetary Value 第6回 1/29 所眞理雄氏 × 河口真理子氏 × 竹村真一

2015/02/16
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第6回 CPV地球価値創造フォーラム Creating Planetary Value

1月29日(木)18:30〜21:30

 

ゲスト

所 眞理雄氏(ソニーコンピューターサイエンス研究所会長)

河口真理子氏(大和総研 調査本部主席研究員)

 

 

モデレータ

竹村真一(「触れる地球ミュージアム」主宰/ELP代表/京都造形芸術大学教授)

 

 

2015年の年始めのCPV地球価値創造フォーラムでは、「オープンシステム・サイエンス」という危機の時代の新しい科学技術の在り方を提唱されている所眞理雄氏と、地球環境問題や環境経営に詳しい河口真理子氏をお迎えして気候・資源・情報環境など大きな「変動期」に突入する人類社会の未来と、そこでの日本の地球価値創造の可能性について討議しました。

 

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IMG_7634-1プレゼンテーションで、竹村は今年3月に仙台で開かれる世界防災会議について触れ、「グローバリズムの現代では一つの災害が世界中に大きな経済損失を与える。人類社会にとって災害は10年ほど前まではマイナーな問題だったが、いまは人類社会の存立にかかわる大きな課題になってきている」と問題提起しました。

また、「災害など外から来るリスク以上に、我々自身の内部に蓄積しているリスクのほうが実は大きいのではないか」と、外的リスクと内的リスクの複合的リスクの高まりを指摘した一方で、日本企業で生まれている様々なソリューション技術を紹介。「人類は気候変動にクリエイティブに応答して新しいジャンプをしてきた。農耕革命、都市革命に続く、第3、第4のジャンプがいま確実に準備されつつある。それを企業の本業のなかでぜひやっていきましょう」と各企業の参加者に呼びかけました。

 

cpv3-5河口氏は、企業のCSRの取り組みには世の中の風潮にあわせてテーマの流行り廃れがあると指摘したうえで、「そもそも環境マネジメントに取り組まなくてはならない理由がある、その危機感をどこまで共有できているのか」と疑問を呈しました。さらに、その理由の一つである気候変動リスクが高まっていることへの日本人の認識の薄さを問題視。「例えば、企業で温暖化対策として省エネには取り組んでいても、災害にどのぐらい強い街をつくるかということが全然できていない」とも指摘しました。

cpv5-5所氏は、「ものごとが巨大化していくとリスクも巨大化し、大都市化するほど大都市でのリスクが増える」「グローバリズムによって、雇用がどんどん失われ、格差もどんどん広がっている」などと、現代が抱える問題を列挙。そのうえで、「科学者は人類や地球の持続可能性においての責任をもって行動していかなければならない。これは何のために使われるのか、どういうふうに人類にとっていいのか、いつも自分の中で問い直していくのがサイエンティストの責務であり、実はサイエンティストだけはなくて、すべての人の責務だ」と語りました。

また、所氏は「オープンシステムサイエンス」についても説明。問題を分割していく方法で答えを求めようとすると、ある1つの狭い分野での専門家になってしまい、全体を見ることができなくなってしまう——。そこで、所氏が考え出した新しいサイエンスの方法なのだと言います。

 

問題とシステムを暫定的に定義して、問題をモデル化して評価するという流れ。うまくいかないときは、システムの定義を変更して、この流れを繰り返すという方法論です。答えを出すことがサイエンスなのではなく、このプロセスを続けていくことがサイエンスだと言う所氏。「オープンシステムサイエンスの考え方では、問題そのものを解くのではなく、何を解かなければならないのかを探す。問題を解くことは、問題に関連する適切な領域を探すこと」。専門性と関連性を両立させた、このサイエンスによって、専門家と一般市民とが常に対話できるような科学の在り方が期待されると言います。

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また、すでに経済成長のキャパシティーを迎えた日本では、「右肩上がりを目指し続けて行かざるを得ない株式会社という形態はマジョリティではなくなる」と河口氏。現実に、NPOや協同組合、「非営利株式会社」などの組織形態に置きかわっている一部の動きを挙げたほか、今後進むべき価値観の方向性として、人と人との恊働を勉強するといった教育のかたちなどを提案。所氏も「専門領域よりもリベラルアーツに重きを置いた教育への転換」を強調しました。

 

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「CPV地球価値創造フォーラムでは、ソリューション技術に社会の血液であるお金をまわしていく金融・雇用の在り方を、地球価値創造の問題として引き受けていく」と竹村。今年4月から本格的に展開してまいります!

 

 


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