企画展「地球食のデザイン」5/8(木)より開幕!

2014/04/25

この太陽系の第三惑星では、日々あたりまえのように驚くべきことが起こっています。

太陽の核融合が生みだす膨大なエネルギーは、太陽系のどの星にも分け隔てなく届けられます。ところが、この第三惑星においてだけは、それは星の表面を少し暖めるに終わらず、まばゆいほどに美しく多様な生命のにぎわいを産み出すことに、クリエイティブに使われているのです。

光合成という海のプランクトンや陸上の植物たちの静かな魔法によって、光のエネルギーは糖やデンプンなど炭水化物の貯金箱にたくわえられ、それがアミノ酸やタンパク質も含めたあらゆる有機物の基礎となります。

こうして炭素を固定する植物たちも、大気の78%を占める窒素や必須微量元素のリンなどは自ら吸収することは出来ず、ここでもう一つの「地球器官」である根粒菌や菌根菌など微生物のネットワークが、地球生態系を支える元素循環の媒介者として人知れず活躍しています。

私たち人間も含めた動物たちは皆、この精妙な「炭素循環」や「窒素循環」による太陽エネルギーのパッケージを糧に生きています。

もし宇宙から、この星で日々生じているこのような生命のダンスを可視化する“魔法のメガネ”があったとしたら、たとえば春のオホーツクやベーリング海で、植物プランクトンやそれを食べるオキアミ、小魚が大増殖し、それをめがけてクジラや渡り鳥が一斉に太平洋を南から北へと渡ってゆく、いのちの大奔流が見えることでしょう。

あるいは蛇行する黒潮に乗って、カツオがフィリピン海域から日本へと北上。ジェット気流やモンスーンも北寄りに流路を変えるに従い、光合成の緑の絨毯がユーラシアや北米大陸を南からひたひたと染上げてゆく様子が手に取るようにわかるでしょう。

インド洋や南シナ海から大量の雨を日本まで運ぶアジア・モンスーンは、イネや森を育てるだけでなく、高温多湿な環境でカビ=菌類も育てます。アジアの人々はこうした微生物との共生を通じて、麹(酒・味噌・醤油)や鰹節などの豊かな発酵文化を育んできました。

地球はこのように、とてつもない生産力をもった星です。循環する空気と水と太陽の光を元手に、この星の生命系ネットワークは毎年毎年この星の「富」=いのちの元本資産を増殖させています。

私たち「人間の経済」が、この地球の再生産の速度にあわせ、「地球の経済」のリズムに同期(シンクロ;ルビ)してゆけさえすれば、この星には本来“資源制約”も“食糧危機”もないはずなのです。

最大の問題は、何かが足りないことではなく、私たちの経済が「地球の富」にうまく接続できていないこと。人類社会の設計がバッドデザインであることではないでしょうか?

触れる地球ミュージアム;5月の企画展は、「いのちのために働く」「地球70億人の食が変われば未来が変わる」というコンセプトで、サステナブルな食産業のあり方を世界に先駆けて展開する味の素株式会社とともに、“宇宙船地球号の食と地球生命経済の再設計”の可能性を探ってみたいと思います。

それはまさに人間社会内に閉じたものではなく、地球環境や生態系全体に貢献するような価値創造という意味で、「地球価値創造」=Creating Planetary Valueへの道でもあるはずです。

企画者 竹村真一

 

■企画展「地球食のデザイン」

【開催概要】
[期日]2014.5.8(木)~5.30(金)
[開館時間]月~木 11:30~19:30
金 11:30~16:00
(19:00よりウェザーニューズ公開生放送)
[休館日]土・日・祝日
[入場料]無料(要事前予約/当日受付可)
[主催]触れる地球ミュージアム
[企画・構成]竹村真一 + Earth Literacy Program
[協賛/出展・企画協力 ]味の素株式会社

[会場運営協力]エコッツェリア協会

[プロジェクター協力]株式会社リコー


5/30−6/7 展示入替休館 5/8 企画展「地球食のデザイン」キーノートの参加受付開始!
5/30−6/7 展示入替休館
5/8 企画展「地球食のデザイン」キーノートの参加受付開始!
触れる地球ミュージアム
©2014-2016 Earth Literacy Program